学校長ごあいさつ


  みなさん、はじめまして。令和3年4月から着任いたしました、清水南高等学校・同中等部校長の小野田秀生(おのだひでき)といいます。どうぞ、よろしくお願いいたします。

本校は、世界文化遺産に登録された三保の松原のある三保半島の付け根に位置しており、生徒たちは、東に富士を仰ぎみる風光明媚な環境で伸び伸びと学校生活を送っています。

また、「富士の如く端正に、橘の如く香りが高く」の校訓の下、「高い知性と豊かな感性・表現力を備え、国際化社会に貢献できる人物の育成」を教育目標に掲げ、日々の教育活動に取り組んでいます。

 本校の大きな特色は、普通科と芸術科を併せ持つ、公立中高一貫校であるということです。校内のいたるところで芸術科美術専攻の生徒の作品や、音楽専攻の生徒の演奏や歌声を見たり聴いたりすることができます。加えて、中高一貫校の特長を活かし、6年間を見据えた、生徒の進路目標を実現するための学力向上に取り組んでいます。

 今後とも、皆様のご支援をいただきながら積極的にさまざまな活動に取り組み、本校の教育活動をさらに充実させる所存でおります。どうぞご支援をお願いいたします。

 

令和3年4月 校長 小野田秀生



 
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2023/01/05

3学期始業式 校長訓示 テーマ「希望のつくり方」

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令和5年1月5日

3学期始業式 校長訓示 テーマ「希望のつくり方」

BGM:サザンオールスターズ「希望の轍」他

 

みなさん、おはようございます。そして、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。皆さんはどのような冬休みを過ごしましたか。各教科の課題に取り組んだり、部活動や学校外のクラブ活動に参加したり、芸術科の皆さんは創作活動や音楽のレッスン等々、忙しい毎日を送っていたことと思います。

 

さて、ここで皆さんに質問を二つします。一つ目の質問です。「人間が生きていくために必要なものは何だと思いますか。」頭の中に思い浮かべてください。二つ目の質問です。「あなた自身が生きていくために必要なものは何ですか。」頭の中に思い浮かべてください。

 

昨日、部活動の練習中の生徒数名に同じ質問をしてみました。22HR・男子テニス部の田中陽さんは、人間が生きていくために必要ものは「目標」、自分が生きていくために必要なものは「努力」と答えてくれました。同じく、22HR・女子テニス部の尾関美琴さんは、人間が生きていくために必要ものは「仲間」、自分が生きていくために必要なものは「家族と友達」と答えてくれました。13HR・女子バスケット部の伊藤栞奈さんは、人間が生きていくために必要ものは「人との出会い」、自分が生きていくために必要なものは「たくさんの人たちとコミュニケーションをとったり、関わり合ったりしていくこと」と答えてくれました。

 

中等部生にも聞いてみました。3A・女子バスケット部の杉山凛さんは、人間が生きていくために必要ものは「人との関係」、自分が生きていくために必要なものは「友達」と答えてくれました。2C・女子バレー部の風間南帆さんは、人間が生きていくために必要ものは「優しさ」、自分が生きていくために必要なものは「推し」と答えてくれました。「推し」が誰なのか気になりますね。

 

 さて、何でこんな質問をしたのかと言えば、私は冬休みに入ってすぐに、嵐の二宮和也さん主演の映画「ラーゲリより愛をこめて」を観たからです。「ラーゲリ」とは強制収容所のこと。第二次世界大戦後に抑留された日本人捕虜たちは、零下40度にもなるシベリアの「ラーゲリ」において、わずかな食糧で過酷な労働を強いられます。大勢の日本人捕虜が命を落とす中、二宮さん演じる山本幡男は、日本にいる家族と必ず再開できると信じて、ラーゲリでの生活に耐えながら、周囲の人々を励まし続けます。山本の仲間思いの行動と力強い信念は、多くの捕虜たちの心に希望の火を灯していきます。もうおわかりですよね。この映画を観て、人間が生きていくために必要なもの、特に過酷な状況下で生きていくために不可欠なものは「希望」であると感じました。

 

実は、昨年末の「南陵新聞」に13HRの伏見さちさんが、この映画に関する記事を書いています。伏見さんは「ラーゲリより愛をこめて」を観て、「生きることの意味」について考えてました。そして、「希望」や「目的」を持つことの大切さについて、自分の考えを上手にまとめた記事を書いています。この伏見さんの記事も、私の冒頭の質問につながっています。まだ読んでいない人は、ぜひ「南陵新聞」の1221日号を読んでください。ちなみに、14HR・下山茉凛さんの「どうにかしたい冷え性」という記事と3B・宮本英治さんの「今年からでもお手軽 ウインター・スポーツ」という記事も秀逸です。

 

 ところで、みなさんは「希望学」という学問があることを御存知てすか。東京大学社会科学研究所・所長の玄田有史教授が研究されています。実は、玄田先生は、いまから約10年前に開催した清水南高校50周年記念式典で、「希望のつくり方」という演題で記念講演をしてくださっています。そのご縁で私も玄田先生に何度かお目に係る機会をいただきました。

 

 玄田先生は著書「希望のつくり方」の中に「幸福は持続を求めるものであるのに対して、希望は変化を求めるもの」という記述が出てきます。いまの生活に幸福を感じている人は、それが長く続くことを求めます。一方で、ラーゲリの日本人捕虜のように、過酷な状況の中で生きている人ほど「希望」が必要なんだと思います。現在の私たちの生活は、ラーゲリの日本人捕虜ほど過酷ではないにせよ、新型コロナウイルス感染症の影響で様々な我慢を強いられていたり、ロシアによるウクライナ侵攻など不安定な世界情勢の影響を受けています。これから予測困難な時代を生きていく我々にとっても、希望が必要なのかもしれません。

 

玄田先生は、「希望は四つの柱から成り立っている」と述べています。今から、その四つの柱を説明します。ここで、教室にいる先生方にお願いです。お手数をおかけしますが、いまから話す語句や文章を板書していただけますか。一つ目は「気持ち」です。二つ目は「何か」です。三つ目は「実現」です。四つ目は「行動」です。この四つをまとめて文章で表現すると、希望とは「行動によって何かを実現しようとする気持ち」であると言えます。

 

皆さんにも様々な希望があると思います。「今週末においしいケーキを食べたい」、「今年中に5キロ痩せたい」、「新人戦で優勝したい」、「〇○大学に合格したい」、「ウイルスから人類を守るワクチンを開発したい」、「地球上から戦争をなくして平和な世界をつくりたい」などなど、希望に大きい・小さいはありません。2023年はみなさんが真に望むことを実現するために行動する一年であってほしいと思います。

 

さて、冒頭の質問を先生方にもしてみました。保健室の木村早紀先生は、人間が生きていくために必要ものは「衣食住」、自分が生きていくために必要なものは「趣味」と答えてくれました。13HR担任の中村友香先生は、人間が生きていくために必要ものは「情熱」、自分が生きていくために必要なものは「好奇心」と答えてくれました。高3学年主任の原田真樹先生は、人間が生きていくために必要ものは「お金」、自分が生きていくために必要なものは「お酒」と答えてくれました。私は人間が生きていくために必要ものは「希望」、いまの自分が生きていくために必要なものは「みなさんの笑顔」です。これで私の話を終わります。


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