令和4年8月30日
2学期始業式 校長訓示 テーマ「青春って、すごく密」
あらためまして、みなさん、おはようございます。今日から2学期が始まります。昨年の今頃は静岡県に緊急事態宣言が発令され、本校においても時差通学、分散登校、オンライン学習等の対策を講じて新学期がスタートしました。現在は、昨年と比較して、感染者数は増加しているものの、社会経済活動や教育活動は感染症対策を徹底した上で実施していますので、本校も予定どおり、新学期をスタートさせます。
実は私も8月中旬に新型コロナウイルスに感染してしまいました。早朝から強い倦怠感があり、熱がぐんぐん上がって39度を超えました。幸い、すぐに診察していただき、解熱剤などの薬を服用しました。それでも、3日間は39度前後の高熱が続きました。4日目以降、熱は下がったものの、体調が回復したのは10日間の自宅療養の終盤でした。症状に個人差があり、無症状の方もいるようですが、私はインフルエンザに罹患した時よりも辛いと感じましたし、オミクロン株は感染しても軽症だから大丈夫だとは、とても言えないなと思いました。ましてや、高齢者や基礎疾患のある方は、より気を付けなければならないと思います。
2学期も引き続き、感染防止対策を徹底した上で学校生活を送ることになります。オミクロン株も基本的な感染症対策が有効です。即ち、マスクの着用、手指消毒、換気、3密の回避などです。気温が高い日は熱中症対策を優先することになりますが、その場合は近距離での会話を避けたり、人との距離をできるだけ空けたりするなど、感染防止にも十分に気を付けてください。
さて、私は自宅療養中、テレビで高校野球中継を観ていました。宮城県にある仙台育英高校が東北勢として、春夏を通じて甲子園大会初優勝を遂げましたね。選手のプレーは言うまでもなく素晴らしかったのですが、須江航(すえわたる)監督の優勝後のインタビューにも感動しました。
アナウンサーが「今年の3年生は入学した時から、新型コロナウイルスの感染に翻弄されてきました。それを乗り越えての優勝。3年生にどんな言葉をかけたいですか。」と尋ねると、須江監督は「入学どころか、たぶんおそらく中学校の卒業式もちゃんとできなくて。高校生活っていうのは、僕たち大人が過ごしてきた高校生活とは全く違うんです。青春って、すごく密なので。でもそういうことは全部ダメだ、ダメだと言われて。活動してても、どこかでストップがかかって、どこかでいつも止まってしまうような苦しい中で。でも本当にあきらめないでやってくれたこと、でもそれをさせてくれたのは僕たちだけじゃなくて、全国の高校生のみんなが本当にやってくれて。本当に、すべての高校生の努力のたまものが、ただただ最後、僕たちがここに立ったというだけなので、ぜひ全国の高校生に拍手してもらえたらなと思います。」というようなことをおっしゃっていました。
須江監督の言葉で印象に残ったのは、「青春って、すごく密なんです。」というフレーズです。皆さんはいま青春時代のど真ん中にいて、もしかしたら家族より長い時間を友達と一緒に過ごしています。数年前までは友達と、昼休みにお弁当を食べながら他愛の無い会話を楽しんだり、部活動の練習が終わった後、部室で好きな芸能人の話で盛り上がったり、学校帰りに自転車を引きずりながら卒業後の進路を語り合ったり、そんな時間を積み重ねながら、中高生たちは青春時代という濃密な時間を過ごしてきました。そんな時間がコロナ禍で少なくなっていると思うと、残念でなりません。
2学期はじっくり腰を据えて学習に取り組む時期ですし、部活動にもひたむきに打ち込む時間もあります。また、体育祭や研修旅行などの学校行事を通じて、豊かな人間性を育むとともに、友達や先生方との絆をより深める時期でもあります。感染症対策により、身体的距離は取らざるを得ないけれど、友達同士、あるいは先生方との心の距離は遠くならないように、みんなで心のスクラムをしっかりと組んで学校生活を送ってほしいと願います。
須江監督がおっしゃったように、コロナ禍において、全国の中高生は様々な制約の中で学校生活を送っていますが、ひたむきに努力している人たちがたくさんいます。もちろん、君たちもその一人です。本校はできる限りの感染症対策を講じて、2学期の教育活動を実施します。皆さんは安心して学校生活に取り組み、どんなことにも一生懸命打ち込んで、濃密な2学期を過ごしてください。皆さんの成長を楽しみにしています。