卒業生を代表して、矢澤高志さんが答辞を行いました。矢澤さんの素晴らしい答辞を御覧ください。
令和4年度 清水南高等学校 卒業式 答辞
校庭の桜の木の枝に、小さな赤い芽が顔を出しています。寒さに耐えながら頑張っているその姿は、寂しさと期待で揺れ動く私たちを応援してくれているかのようです。
本日は私たちのために、このような盛大な卒業証書授与式を挙行していただき、ありがとうございます。ご臨席いただきましたご来賓の皆様に、卒業生を代表して、心より感謝申し上げます。
私たちは三年前、この体育館で清水南高校への入学を許可されました。「絶対楽しい学校生活にしよう。」と気持ちが高揚したことが、昨日のことのように思い出されます。
いま、あの日と同じ場所に立ち、大きく成長できたと確信している自分がいます。いま、ここにいる仲間たちと、日々の授業・様々な行事を通し、互いの絆を深め、切磋琢磨しあった結果です。この友人たちと過ごせて本当に良かったと感謝の気持ちでいっぱいです。
二年生の最大の行事は研修旅行でした。訪れた金沢で、北陸の文化体験として、金箔を使った葉書の作成をしました。その時、「この金箔葉書は大切な人に送ってください。」と言われ、それぞれの大切な人に送りました。あらためて、「大切な人」を考える機会になりました。後にも先にも、あんなに豪華な葉書を送ったことはありません。班別行動では、雹に降られました。氷の塊は体に当たると意外に痛くて、でもそれも、友達と一緒だと妙に楽しくて、みんなで大騒ぎしたことを覚えています。朝から晩まで、ただただ楽しい時間でした。
三年生になった私たちの一番の目標は、何といっても南陵祭の成功でした。各クラスがそれぞれの個性を活かした展示を行いました。
一組の音楽専攻生はステージ部門で同じ高校生とは思えない圧巻のパフォーマンスを披露しました。美術専攻生は校庭でのアートパフォーマンスを行いました。似顔絵コーナーも大人気でした。さすが未来の芸術家の揃ったクラスならではの発表でした。
二組はメイド喫茶を開店しました。今までにない斬新な企画でした。男子も女子もメイドに扮した喫茶店には「みんなでやるぞ。」というクラスのチームワークのよさが溢れていました。
三組は不思議の国のアリスをテーマにしたカフェを運営しました。店員の衣装、食器や提供された飲み物や食べ物全てにアリスの世界観が見事に表現されていました。さすが三年生と唸らせるものがありました。
四組はお化け屋敷を造りました。みんなでアイディアを出し合い、仕掛けに工夫を凝らし、怖さを追求しました。南陵祭終了後に「クオリティーが高かったね。」と言われ、みんなで喜び合いました。クラスメイトと最後まで協力し合えたことは、互いに大きな自信になりました。絆も一段と深まりました。
体育祭では、三年生が中心になり、ダンスや集団行動を行いました。それぞれのリーダーは責任感を持って演技の構成を考え、休み時間や放課後を使って、下級生にそれらを伝えました。最高学年のリーダーとして、的確に指示を出す仲間の姿は、逞しく、また誇らしく見えました。
生徒会では学校生活をより良いものにするために、様々な活動をしました。
制服に関する校則の改定に向けて、生徒から意見を募り、先生方と話合いました。女子のスラックスが導入され、学校指定のセーターができ、より快適に過ごせるようになりました。頭髪についても、男女の差がなくなりました。生徒一人ひとりが大切にされ、各々が自分らしく過ごせる学校であることは、他校にはないことであり、この学校のアイデンティティだと思います。
在校生の皆さん、いつも協力してくださり、ありがとうございました。生徒会執行部の皆さん、各委員会の皆さん、部活動の後輩のみんな、支えてくださり、ありがとうございました。これからは皆さんが清水南高校の中心です。臆することなく、様々なことに仲間と一緒に果敢にチャレンジしてください。皆さんなら、もっともっと素晴らしい清水南にできると信じています。卒業生一同応援しています。
十八年間支えてきてくれた家族にも、この場を借りて、お礼を言いたいと思います。毎日の美味しいご飯、励まし、応援、ありがとうございました。口だけは一人前で何もできませんでしたが、これからは少しずつ恩返しをしたいと思います。
最後になりましたが、これまで授業や、部活動、普段の学校生活で、私たちを全力で支えてくださった先生方、本当にありがとうございました。感謝してもしきれません。
四月からはそれぞれが、それぞれの場所で新たな挑戦を始めます。私たちが乗船するゴーイングメリー号は、時には嵐に遭遇し、時には漂流してしまうかもしれません。でもどんな時でも、ルフィのように仲間を信じて、グランドラインを進んでいきます。この学び舎で培った力が私たちの羅針盤です。
校長先生を始めとする諸先生方に今、ここで誓います。
「私たちは、絶対海賊王になります。」
令和五年二月二十八日
卒業生代表 矢澤 高志